海外組・座談会

海外在住経験のある、清水彩奈(フランス、スイス)、田中信(アメリカ)、直井紀和(スイス、ドイツ)、長谷川貴大(韓国)の4名が、それぞれの海外経験と、WA!!への意気込みなど語りました。聞き手は留学志望の坂本響。



〜海外へ旅立ったきっかけ〜

坂本:自己紹介も含め、皆さんの海外滞在について教えてください。

清水:私は洗足学園音大を卒業後、フランスにあるパリ地方音楽院に留学し、オーケストラ科と器楽科を1年で卒業しました。その後、スイスにあるローザンヌ高等音楽院修士課程ソリスト科を卒業しました。スイスではシンフォニエッタ・ローザンヌ・オーケストラで研修生として活動しました。昨年、日本に帰国しました。

田中:僕は現在、玉川学園高校に在籍しています。トロンボーンを呉信一先生に師事しています。1歳から7歳までは、アメリカのサンフランシスコで生活しました。トロンボーンを吹き始めたのは中学2年の途中からなので、今年で2年目です。WA!!のメンバーの年少で経験も浅いので、プロのみなさんに混ざって勉強させていただきながら、少しでも演奏会に貢献できればなと思っています。

直井:僕は洗足学園音大在学中から、ドイツに留学することが夢だったので、日本に来るいろいろな奏者のマスタークラスを受けたり、3年生の夏休みには必要最低限のお金を手にドイツを回ったり。卒業後は、エドガー・マニャック氏に習うためにスイスのバーゼル音楽院に渡りました。その後、バーゼル交響楽団の研修生、ルツェルン音楽院ではバストロンボーンも勉強し、卒業後はドイツのオケで契約団員を務め、今年帰国しました。

長谷川:僕は日本大学芸術学部を卒業後、尚美ミュージックカレッジ専門学校のコンセルヴァトアールディプロマ科で2年間勉強しました。その頃に、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)に参加しました。外国人の参加者が多かったこともあり、自分も海外に行きたいなと思うようになりました。その時たまたま、韓国テジョンのオーケストラのオーディションがあると聞き、挑戦し合格。韓国に渡りました。4年ほど在籍した後に退職し、現在は日本に拠点を移しています。

~日本と海外の違い〜

坂本:皆さん異なった国への滞在歴をお持ちですが、日本との違いは感じましたか?

清水:私が思ったのは、日本では部活動がとても盛んで、アンサンブルをすることに慣れている人が多い一方、フランスでは、ソリストとして楽器を始めた人が多く、音楽院に入学してから本格的にアンサンブルを経験する人が多い印象でした。

日本だと聞いて合わせることが習慣化しているからか、メンバー間の意見がぶつかり合うこともあまりなかったですが、フランスやスイスでは一人ひとりが自分自身の意見を大切にしているため、お互いが納得するまで話し合いながら合わせを進めていました。私はこの両方のスタイルにそれぞれの良さがあると思います。

直井:アンサンブルの違いに関して言えば、スイスやドイツではすごく明確に感じました。例えば、ワーグナーのこの部分は「悲しみがあって」とか「怒り狂って」とか、感情から話をします。そこから理論的に組み立てていく。美しいアンサンブルを作るというゴールは同じだけど、スイスやドイツでは、合わせると言うよりも個々を主張して受け入れ合うようなシステムだったように感じます。

坂本:韓国のオーケストラの様子はどうでしたか?

長谷川:日本のオケと比べると、1つの本番に対してのリハーサルが多いと思います。プログラムに関わらず、定期演奏会は一週間前からリハーサルが始まります。韓国のオケならではだなと思うのは、本番直前のリハのあとに、みんなでご飯を食べに行く習慣があるんです。オーケストラ事務局がお店を予約してくれて、そこで決められたメニューをみんなで食べます。この食事の習慣は、コンサート会場が変わっても必ずありました。

あと、自分がいたオケのメンバーは、それぞれがとても感情的でマイペースに感じました。集中力があるときはものすごく集中するけど、ダルそうな時はあからさまにダルそうになってしまいます(笑)ダメな日の本番は本当にダメでした。

直井:それは僕のいた環境でも似たようなことが言えるかも。オペラを25公演とかやるときには、どうしてもどこかで中だるみが起きてしまいます。日本だとしっかりしなきゃって気持ちを引き締めるところだけど、向こうには中だるみを楽しんでいるお客さんがいたりして(笑)

清水:お客さんも含め、アクシデントやライブ感を楽しんでいる感じがしますね。

~生活面では~

坂本:海外の生活面でのアドバイスを下さい!

直井:ふりかけは必需品かな、、、

清水:食べ物ですか(笑)私が住んでいた所は、朝昼晩パスタが出ました(笑)そんな環境で痩せるのは難しいよ。

長谷川:僕も韓国に行ってから、日本のご飯が本当に美味しいなって実感しました。

直井:あとは言葉が重要だね。最初の半年は赤ちゃんで良いかもしれないけど、その後はもう相手にしてもらえなくなってしまうかも。

清水:私はフランスでは語学学校に通っていました。喋ることよりも、書くことが先に身についたので、何か話し合いをするって言われた日には、言いたいことを事前に紙に書いて持って行って、音読したりもしました。

長谷川:僕の場合は、独学で韓国語を覚えましたが、ペラペラではないです。演奏の仕事をする上では支障はなかったと思いますが、プライベートでは大変で、周りの人に助けてもらってばかりでした。職場でも、最初は英語でコミュニケーションとろうとしましたが、なるべく韓国語で話すようにすると、下手でもみんなよく聞いてくれたように思います。いつも誰かが助けてくれて、日本のニュースやネットで言われているような韓国のイメージは全く感じませんでした。僕のいた環境は、優しくて温かい人たちばかりでした。

坂本:外国語と日本語のコミュニケーションの違いみたいなものは感じましたか?

田中:僕は7歳までアメリカで育ったので、逆に日本に帰ってきたときに、否定疑問文の答え方を混乱してしまうことがありました。「~~ではないのですか?」と否定で聞かれたときに、日本語の「はい」と英語の「Yes」では逆の意味になってしまうので。

清水:私は最初のうちはいつも、フランス人に怒られてるのかなと思うことが多かったです。「これがだめ」「あれがだめ」って、すごくはっきり言われるので。でも毎日そんな調子なので、怒ってるんじゃないんだなあって(笑)。

長谷川:韓国はとても人を気遣う文化だと感じました。午後以降は「ご飯食べましたか?」って挨拶することが多いんです。面倒見の良い人が多くて、自分はオケの団員のなかでも年下だったので、「ちゃんとご飯食べてるか?」など、何かと気にしてもらっていたように思います。

清水:あとは、日本は電車が正確なのが、本当にありがたいですね。

直井:電車が正確と言われているスイスでも、30分遅れとかよくある話です。

田中:アメリカは車社会で、日本と違って公共交通機関があまり発達していないので、不便に感じることはありました。特に僕が住んでいたカリフォルニア州は、12歳までは1人で外を歩くことができないし、車がないとどこにもいけないような生活だったので、移動に関しては日本の方が自由かなと感じます。

長谷川:韓国も電車より車社会といった感じで、タクシーがとても安かったです。でも、タクシー運転手の運転が激しい場合がほとんどで、ひどく車酔いした状態でコンサートの本番を迎えるというのも経験しました。

〜WA!!デビューに寄せて〜

長谷川:最後になりましたが、WA!!デビューコンサートへ来られるお客さまへメッセージを!

清水:私自身も「どんなサウンドがするのか」「どんな演奏会になるのか」、、、ワクワクが止まりません!

WA!!デビューコンサートでは、従来のクラシックコンサートにはないような演出が飛び出します。

クラシックが好きな方も、クラシックに興味が無かった方も、聴きに来てくださった皆さまが面白い!ワクワクする!トロンボーンってこんな音がするんだ!と、音楽を通して沢山の方々に感動や元気を伝えられる演奏会になれればと思っています。是非、10月13日をお楽しみにしていて下さい!

田中:僕はまだまだ未熟な部分もありますが、音楽の喜びを少しでも皆さんと共有できれば嬉しいです。どうぞお楽しみにしていてください!

直井:日本にも、ヨーロッパにも、アメリカにも、韓国にも、これまでなかったような演奏会になると思います!

普段クラシックに興味がない方も楽しめるような演奏会にしたいと思っています。

皆さまにとって素晴らしい時間となりますよう、さまざまな音楽をお届けします!

長谷川:WA!!では、良い演奏を目指すと同時に、コンサートを作り上げていく過程で、一人ひとりのメンバーが何かを発見し、成長していくことも目標にしています。もしかしたら、演奏会中に誰かが急成長する瞬間を目撃されるかもしれません。素敵な演出もたくさんあります。この辺りにも注目していただきつつ、コンサートを楽しんでいただけたら嬉しいです。トロンボーン合奏団WA!!をどうぞよろしくお願いいたします!

坂本:トロンボーンの音色とダンスの共演、多彩な演出など、これまでトロンボーンの演奏会ではなかなか見ることが出来なかったような世界に足を踏み入れます。是非この感動と興奮を会場で共有しましょう!

WA!!デビューコンサートでは、こんな海外組にもぜひご注目ください!