玉木優

玉木優:ソロ・トロンボーン奏者

 

世界各地を舞台に活動を続けるソロトロンボーン奏者。ソロリサイタル、トロンボーン協奏曲共演、マスタークラス指導を3つの柱に、室内楽、オーケストラ、教育、執筆、プロデュースなど幅広く展開。

 

兵庫県芦屋市出身。兵庫県立西宮高校音楽科、京都市立芸術大学を経て単身渡米。ミシシッピ交響楽団首席奏者、ミシシッピ大学講師、デュケイン大学大学院助手を務めたのち帰国。小澤征爾監督の東京のオペラの森、サイトウキネンオーケストラに参加。東京佼成ウインドオーケストラに在籍後、文化庁海外研修制度により渡欧。スイス・ベルン芸術大学を首席で修了後、南デンマークフィルハーモニー管弦楽団に入団。

 

2018年1月、ヨーロッパ、アメリカ、日本において15年間務めたオーケストラ奏者としてのキャリアから、ソリストに転身。これまでに日本、アメリカ、デンマーク、スイス、アルゼンチン、イギリス、イタリア、韓国、スウェーデン、台湾、チェコ、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フランス、ブラジルなどで活動を展開。2024年は中南米に初上陸。米ボストンのS.E.シャイアーズ社、浜松のGlanz Trombone、公式アーティスト。島根ふくたまフェスティバル、静岡グランツトロンボーンフェスティバル音楽監督。ふくたまトロンボーンカルテット主宰、スライドジャパンのメンバー。2024年より大阪芸術大学客員教授。これまでにイアン・バウスフィールド、ピーター・サリヴァン、呉信一、山下浩生の各氏に師事。現在デンマーク在住。

 

リサイタルツアーとしては、日本主要都市はもちろん、アメリカでは2021年より毎年開催。これまでにジュリアード音楽院やマンハッタン音楽院など、延べ40以上の名門音楽機関をめぐった。

 

協奏曲共演としては、日本センチュリー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティフィルハーモニック管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団、大阪芸術大学主催ドリームウインドオーケストラ(日本のプロオケ首席奏者で構成)、アメリカ合衆国軍楽隊“Pershing’s Own”、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ、東京佼成ウインドオーケストラ、スーパーストリングスコーベ、Fountain City Brass Band(カンザスシティ)、ノーステキサス大学ウインドオーケストラなどや、岡山シビックホールブラス、東京隆生、関西大学、精華女子高など日本の吹奏楽団体とも共演を重ねる。

 

ラフォルジュルネ音楽祭(仏ナント)、インターナショナル・トロンボーン・フェスティバル(ITF)、アルゼンチンのトロンボナンザ・フェスティバル、ブラジリアン・トロンボーン・フェスティバル(Festival da ABT)、日本トロンボーン協会、アメリカのサウスイースト・トロンボーン・シンポジウム(STS)など、国際的音楽祭に招待を受け、ソロリサイタルや協奏曲を演奏。

 

2018年には1stソロアルバム“Love and Chaos”を、2019年には2ndアルバム“Colors for Trombone”、1stシングル"Game from An;G;El"を、2023年には自身の委嘱作品を4作品収録した3rdアルバム“Bridges”をリリース。また、NHK FMならびにドイツ・バイエルン放送BRのラジオ番組にて、演奏が放送された。

 

日本人金管楽器奏者として初、国際音楽コンクール世界連盟加盟の2つのコンクールと、日本国内最大の2つのコンクールにて入賞。第26回日本管打楽器コンクールでは審査員7名満場一致での第一位、第6回チェジュ国際金管楽器コンクール(韓国)第二位、青山音楽賞バロックザール賞ほか受賞多数。

 

世界の異なる地域での音楽経験を活かし、次世代の教育にも力を入れている。これまでに世界各国でマスタークラスや講習会を展開。2014年よりプロ奏者育成のためのトロンボーンワークショップを定期的に開催。2014年にはイアン・バウスフィールド氏を特別講師として招聘、2016年には東京都主催により東京文化会館にて開催、2018年にはプロアルテムジケならびに新宿区主催「イアン・バウスフィールド/玉木優トロンボーンアカデミー」として開催された。2021年より、アメリカでの教育活動を再開。これまでにスウェーデンのヨーテボリ大学、ブラジルのリオデジャネイロ大学、ブラジリア音楽院などでもマスタークラスを開催。バンドジャーナル誌面(音楽之友社)にて、2012年度ワンポイントレッスン(全12回)、2014年~2016年コラム“世界に挑戦!~ボーダーレスに夢を掴む”を連載(全30回)。

 

また、ソロトロンボーンの音楽表現探究のため、サミュエル・アドラー、伊藤康英、挾間美帆、関美奈子など、世界の名だたる作曲家へ新作委嘱を行っている。異分野コラボレーションにも積極的で、青山健一(画家/映像作家/舞台美術家)、入手杏奈(ダンサー)、荻堂桂輔(アルテシンポジオ・オーナーシェフ)、湯村洋(眞田貿易)などと共演。